瞳の相談所|サングラス

5月に入ると紫外線(UV)の強さは真夏に近いといわれています。UV対策といえばサングラスです。
患者さんから「どんなサングラスをしたらよいでしょうか。色の濃いのがいいですか」と質問されます。現在さまざまなサングラスが販売されていて、どれを購入したらよいか迷うのは無理もありません。
さて、みなさんは「サングラス」=「色付きメガネ」と考えてはいませんか。サングラスは法律上JIS(日本工業規格)でしっかりと規定されています。それ以外のものは「ファッショングラス」などといわれます。法律で厳密に規定されるのは、度なしのメガネでも安易にかけると目の健康を害する可能性があるからです。
サングラスをかける重要な目的は有害なUVを防ぐことです。UVが多くの目の病気を引き起こすことはよく知られています。しばしば色の濃いレンズがUVをカットできると勘違いされますが、サングラスの性能は色の濃さではなく、「紫外線透過率」で示されます。透過率は1%以下が目安です。
色が濃いだけで紫外線透過率の高いサングラスでは、視界が暗くなって瞳孔が開き、より多くのUVが目に取り込まれてしまいます。透過率をよく確認したうえで購入するようにしましょう。
サングラスは生活の状況によっても選ぶべき種類が変わります。
例えば車を運転する時に赤、黄、緑などの色がついているサングラスをかけた場合、信号などを誤認する可能性があり、使用できません(JIS規格で運転不適合)。また、サングラスの明るさの指標として「視感透過率」(100に近づくほど明るくなる)がありますが、これが75%以下になると夜間の運転はできません(夜間運転不適合)。車の運転時には全波長を均一に吸収し、視感透過率が80%以上のサングラスが推奨されます。
ゴルフをする時に芝目が見にくい感じがあれば、短波長の光を減らす茶色系のサングラスがお薦めです。釣りをする方には水面からの光の反射が多いため、反射光を遮断する偏光メガネがよいでしょう。当然UVカットのサングラスを薦めます。
このように使用する目的、場所などに応じて適切なサングラスは変わります。「紫外線透過率」などを十分チェックしたうえで、よいサングラスを選びましょう。

(小杉眼科副院長・林康司)