VDT症候群

VDT症候群

「残業で深夜までパソコン作業をしていた」「ベッドでスマートフォンの操作をしていた」など、モニター画面を長時間見続けていた目が疲れたり、頭痛や肩こりがひどくなったりしたことはありませんか。

パソコンやスマートフォンの液晶ディスプレイなどを画像表示装置(Visual Display Terminal)といい、これらの情報端末を長時間見ることにより生じる、体への悪影響を「VDT症候群」といいます。

VDT症候群の症状

目に現れる症状は疲れ、痛み、視力低下、充血などです。また、体への症状としては、首・肩のこり、痛み、頭痛、腰・背中の痛みなど。これらの症状が悪化すると不眠、抑うつ、イライラなどの精神的な支障を来す場合もあります。

なお、VDT作業で、身体的な疲労や症状を感じている労働者の割合は78.0%で、このうち身体的疲労や症状の内容(複数回答)として最も割合が多いのは、「目の疲れや痛み」が91.6%となっています。次いで「首・肩のこり、痛み」(70.4%)、「腰の疲れ、痛み」(26.6%)となっています。(2003年、厚生労働省の技術革新と労働に関する実態調査)

VDT症候群の原因

目の疲れの原因となるものには大きく分けて2つあります。ドライアイと調節性の疲労です。

ドライアイ

パソコン作業中に画面に集中すれば瞬きの回数は少なくなります。涙の分泌量が減り、目が開いている時間が増えて涙が蒸発しやすくなります。エアコンをつけていると空気が乾燥し、さらに涙の蒸発が多くなります。
また、机の上にモニターを置くと、画面は眼の高さと同じか、やや上に位置します。目を大きく開ける必要があるので、さらに蒸発しやすくなります。その結果ドライアイになります。

調節性の疲労

長時間パソコン画面にピントを合わせようと「調節力」を使う結果、毛様体筋の収縮が持続し、筋肉が疲労して生じます。そのため、ぼやけて見えたり、ダブって見えたりします。

目の疲れを防ぐポイント

①作業中は意識的に瞬きをする

②時々窓の外の景色を眺める

③定期的に人工涙液(防腐剤がはいっていないものがよい)の点眼

④エアコンの風が目に直接あたらないようにする

⑤パソコン向けの専用メガネを装用

一方、度数があっていないメガネやコンタクトレンズで画面を見続けると眼精疲労をさらに悪化させます。疲労が強いと感じたら、メガネやコンタクトが適切かどうかを眼科医に相談するようにしましょう。