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円錐角膜とは?
角膜に起こる非炎症性変性疾患で、角膜の中央部が薄くなり円錐状に突出してくる病気で、多くの方は両眼で起こります。
一般的に10代後半思春期頃に発病し、40代まで徐々に進行することが多いです。初期は見え方に軽い変化が起こるだけですが、やがて眼鏡では視力矯正が難しくなります。
円錐角膜の原因
現在のところ、はっきりとした原因は分かっていません。原因の一つとしては遺伝子的な要因と環境要因があると考えられています。遺伝的要因は約6%に留まり、アトピー性皮膚炎、ダウン症候群、エーラス・ダンロス症候群な ど、数多くの全身疾患に合併することが報告されています。眼をこすることで発症したり、長年ソフトコンタクトを使用した方で発症したという報告があります。
円錐角膜の症状
初期の状態では、眩しく感じる、物が二重に見えるといった症状ですが、中程度進行すると眼鏡では良好な矯正視力が得られなくなります。
治療方法
現在の所、薬などで円錐角膜が治る事はありません。円錐角膜が進行した場合はハードコンタクトなどで矯正することができますが、円錐角膜が高度に進行しハードコンタクトでは矯正が困難な場合、角膜移植を行うことになります。近年では進行を抑制するためクロスリンキングという治療法が出てきました。
ハードコンタクトレンズ
コンタクトレンズの装用により円錐状の突出を抑えます。
進行度合いや角膜形状に合わせ、カスタムメイドのコンタクトレンズを処方することもあります。
当院では円錐角膜用のハードコンタクトレンズ処方の他、装用感と見え方を両立させた特殊コンタクトレンズの処方も行っております。
円錐角膜対応ハードコンタクトレンズ
円錐角膜用のハードコンタクトレンズを患者様の角膜表面の形に合わせて、レンズのサイズ、ベースカーブを選択します。
詳しくは下記のページをご覧ください。
EyeBrid silicone(ハイブリッドレンズ)
直径14.9㎜のコンタクトレンズで、レンズの中心部8.5~10㎜がハードコンタクトレンズ、周辺部がソフトコンタクトレンズとなっているハイブリッド型レンズです。
円錐角膜でハードコンタクトレンズのフィッティング(カーブ)があいにくい方や装用感が優れない方や、強度近視や乱視の方でも処方が可能になります。
レンズのセンタリングが良いため、通常のハードコンタクトレンズよりも安定した見え方を得られることも多く、ソフトコンタクトレンズの装用感の良さと、ハードコンタクトレンズの矯正力の高さを兼ね備えた次世代レンズです。
スクレラルレンズ(強角膜レンズ)
通常のコンタクトレンズは角膜上にレンズを載せますが、スクレラルレンズは角膜よりも外側に存在する強膜(=白目)にレンズをフィットさせ、角膜をドーム状に覆うように設計されています。そのレンズと角膜の間には涙(人工涙液等)が入るので、レンズが直接角膜に触れることはありません。
素材はハードコンタクトレンズと同等の為、円錐角膜等の不正乱視にも対応。
レンズと角膜の間には涙(人工涙液等)が入り、レンズが直接角膜に触れることがないので異物感が出にくく、角膜に傷がつきにくいレンズになります。
強膜は角膜よりも知覚が低いので硬いレンズが触れても違和感がでにくく、快適に高い視力矯正を行う事が可能になります。
ユーソフト(乱視用ソフトコンタクトレンズ)
幅広い乱視に対応したソフトコンタクトレンズです。
軽度から強度の乱視に加え、強度の遠視・近視にも対応可能。
今まで乱視が強くて使い捨てを含むソフトコンタクトレンズをあきらめていた方にも、1人1人の度数に合ったレンズを提供できます。
基本的には通常のソフトコンタクトレンズなので、初めてコンタクトレンズをお使いの方にも慣れやすいレンズになります。遠視・近視に加え、乱視度数と軸度の設定も細かく製作可能。
◎角膜移植
症状が悪化し、ハードコンタクトレンズによる矯正ができなくなった場合は、角膜移植手術を行います。 角膜移植の成功率は9割以上で、移植手術の中では最も良いとされています。
◎角膜クロスリンキング
最近では角膜クロスリンキングと呼ばれる治療法もあります。
これは、角膜にリボフラビン( ビタミンB2) を点眼しながら紫外線を角膜に照射すると、角膜の大部分を占める実質コラーゲン繊維が架橋(クロスリンキング)されます。 これにより角膜の強度が強くなり、今の角膜形状を保持して円錐角膜の進行を抑えることができます。