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視神経乳頭とは
眼球の内側には網膜が広がっており、瞳孔から眼の中に入った光はその網膜に像を結びます。網膜には視細胞があり、視細胞で感知した情報は視神経を通って脳へ送られていき、映像になります。
視細胞は1本の太い束となって眼球の外に出ていくのですが、その部分を視神経乳頭といいます。
視神経乳頭陥凹とは
視神経乳頭の中央部分は少し凹んでいます。それは、視神経がたくさん集まると厚みのある層になるので、その層が乳頭から眼球の外に向かうために折れ曲がるとき、中心部分は物理的に直角には曲がれず、カーブを描いて曲がるからです。そのために乳頭中央部は少し凹んでいて、その凹みのことを視神経乳頭陥凹といいます。
その為、視神経乳頭の陥凹はだれにでもみられます。しかし、その凹みが標準的な大きさよりも大きい場合、陥凹拡大と判定され、検診などで視神経乳頭の異常として視神経乳頭陥凹拡大と指摘されます。
視神経乳頭陥凹拡大で疑われる病気とは
視神経乳頭の陥凹拡大によって疑われる病気は緑内障になります。
緑内障とは、視神経が眼圧の上昇により少なくなり、視野が狭くなる病気です。視神経は再生しない為、一度視界が狭くなると回復しません。その為、定期的に眼科を受診し、治療を続けることが大切です。
緑内障の影響で視神経の本数が少なくなると、神経の層の厚みが薄くなるので、乳頭の陥凹が大きくなります。その為、乳頭陥凹の拡大を指摘された場合、自覚症状がなくても再検査を受ける必要があります。
病気ではない陥凹拡大
健診などで”陥凹拡大”と指摘されても病的なものはではなく、治療は必要ないこともあります。というより実は、再検査の結果の大半がこれに該当します。その多くは、視神経乳頭が生まれつき大きい場合です。
視神経の数は先ほど書いたように約120万本で、だれでもだいたい同じです。しかし 視神経乳頭のサイズは、0.8~4.5mm2と、非常に個人差が大きいのです。視神経の本数は同じなのに、それが通る穴である視神経乳頭の大きさが異なるのですから、陥凹の大きさもバラバラになり、乳頭が大きい人で陥凹が大きくなるのは自然な現象です。これを健診の眼底検査で”陥凹拡大”と判定しやすいのです。
もちろんこの状態は、陥凹が「大きい」だけで「拡大」しているわけではなく、緑内障などの病気や異常ではありません。