結膜炎

結膜炎とは

結膜は瞼の裏と眼球の白目の部分です。結膜炎は結膜が炎症を起こし、目のかゆみや腫れ、充血を伴った症状を示します。

ウイルス性結膜炎

その名のとおり、ウイルスの感染によって発病します。結膜の充血や目がゴロゴロする、メヤニがたくさん出るなどの症状がでます。
一旦発症すると現在のところウィルス本体に有効な治療法が無いため、対症療法を行います。

ウイルス性結膜炎は人に感染します。周りの人に感染させないよう十分な注意が必要となります。このページの最後に感染防止対策をのせています。
原因ウイルスは主にアデノウイルスですが、そのサブタイプにより結膜炎の病形は異なります。

流行性角結膜炎(はやり目)

アデノウイルス8型(他に19型など)と呼ばれるウイルスによっておこります。
感染後すぐには発症せず、1週間程度の潜伏期間を経て発症し、10日から20日程度で軽快します。角膜に点状の濁りを残すことがあり、この濁りは数ヶ月続くこともあります。とくにソフトコンタクトレンズ装用者では長く濁りが残ることがあるようです。
症状:メヤニ・充血・腫れ・痛み・耳の前のリンパ腺の腫れ

咽頭結膜炎(プール熱)

アデノウイルス3型(他に7型など)の感染で起こります。夏場のプールで水を介して感染するので、プール熱とも呼ばれます。やはり1週間程度の潜伏期間があり、10日程で回復します。
症状:のどの痛み・発熱・下痢・メヤニ・充血

急性出血性結膜炎

エンテロウイルスによる感染で起こります。上記2つと異なり、潜伏期間は約1日と短く、あざやかな結膜下出血を起こすことが特徴です。発病後1週間程度で回復します。結膜下出血は白目が真っ赤になりますが、出血はそのうち吸収されるので、心配ありません。
ただし、今はあまり見られません。

細菌性結膜炎

細菌に感染することで発病する結膜炎で、結膜が充血・メヤニなどの症状がでます。ウイルス性結膜炎と異なり、有効な抗生物質により、短期間での治療が可能です。ただし、抗生物質に抵抗力をもった細菌や淋菌による結膜炎は、進行すると角膜に影響が及び視力が低下したりすることがあります。

感染しない結膜炎

アレルギー性結膜炎

人間の身体は異物が入るとそれを排除しようとする機能があります。これを免疫機能と呼びますが、免疫機能が過度に反応し、害の無いものまで排除しようと働いてしまうのがアレルギーです。アレルギー性結膜炎は免疫機能の過剰反応によっておこる結膜炎です。

症状:結膜の充血・メヤニ・かゆみ・まぶたの腫れ

結膜炎をうつさないための感染防止策

●目にさわらない

 

結膜炎の目に触った手で、他のものに触ると、それが感染源となってしまいます。むやみに、目をこすったりしないようにしてください。

 

●手を洗う

 

水道水を出しっぱなしにして、石鹸でよく洗います。患者さんだけでなく、家族の方もこまめに洗ってください。 洗面用具やタオルなどは家族と別にしてください。入浴や洗髪は症状がおさまるまで控えます。入浴の際は一番最後に入り、湯船のお湯は毎回変えてください。

 

●医師の許可があるまでは休む

 

ウイルス性結膜炎は伝染性が強い為、医師の許可があるまでは、職場や学校は休んでください。流行性角結膜炎は学校保健法の第三種に指定されており、インフルエンザと同様に幼稚園や学校はお休みをしなければなりません。

 

●目薬は患眼だけに

 

点眼の際に目薬の容器の先端がまつげの先につくことがあります。これにより、結膜炎でないほうの目にも感染してしまう可能性があるので、点眼は結膜炎の目だけにしてください。また、人の使っている点眼薬を使うのは絶対に避けてください。