オルソケラトロジーの定期検診とレンズケアについて

オルソケラトロジーとは、就寝時に特殊なハードコンタクトレンズを装用し、角膜の形状を変化させて近視を矯正、視力を回復させる治療方法です。通常のハードコンタクトレンズと同様に毎日のレンズケアと定期検診が必須で、特にオルソケラトロジー用レンズの内側は特殊な形状をしているため、正しいレンズケアが必要となります。お子様の場合は保護者様が責任をもって行っていただきます。

定期検診について

定期検診では、視力検査・就寝時のレンズ位置の確認・眼科の診察で、眼に傷がついていないかを確認します。レンズは毎回お持ちいただき、レンズの状態(傷や汚れの状態)をチェックします。コンタクトレンズの洗浄が十分に行われていない場合や、装用時に目を強くこすってしまうことで、角膜に炎症や傷がつく危険性があります。トラブルを未然に防ぐため、調子が良くても定期検診は必ず受けて下さい。

オルソケラトロジー契約月から1年以内の検診費用はかかりません。1年以降の検診費用は、一律2,500円です。当院ではレンズの交換が何度でも出来る、定額制を推奨しています。度数の変更やレンズの汚れや傷、破損による交換が無償で出来ます。ただし、紛失してしまった場合は有料になりますのでご注意下さい。

レンズケアの手順

Step1:クリーナーで洗う

まずは手をきれいに洗います。レンズを眼から外したら、レンズクリーナーでこすり洗いを行います。当院ではハードクレンジングを推奨しています。このクリーナーは、研磨剤、アルコールの入っていないタイプのハードレンズ用クリーナーです。脂質汚れに強く、少し泡立つので洗浄効果を得やすいと思います。親指・人差し指・中指の三本でレンズをはさむようにしてクルクルと優しく洗います。(その際、利き手ではないほうの手で洗うと力が入りすぎず、レンズ割れを防げます。)その後、水道水でよくすすぎます。

Step2:洗浄保存液で消毒を行う

レンズをクリーナーで、こすり洗いを行ったあと洗浄保存液で消毒を行います。当院では、cleadew SLを推奨しています。レンズケースに片方のレンズをセットし、液剤を9分目まで入れます。そこに錠剤を入れると錠剤が溶け出し、液体がオレンジ色に変わります。(錠剤はレンズに当たらないように横向きに入れます。)蓋を閉め、そのまま4時間以上放置します。(液の色が無色になってもレンズは取り出さず、必ず4時間以上放置して下さい。)

Step3:レンズ装用する

レンズ装用時に、まずはクリーナーでレンズを洗いよく水ですすぎます。使用したレンズケースも洗浄液を捨てよく水ですすぎます。その後、自然乾燥させて保存します。

※オルソケラトロジー用のレンズは、通常のハードレンズより大きいので、通常ハードレンズケースのホルダーでは幅がやや狭くレンズの変形や破損が懸念されます。必ず、オルソケラトロジーレンズ専用のレンズケースを用いる必要があります。また、左右レンズを分ける部分に隔壁のあるタイプは使用出来ませんので、クロス型の物を使用して下さい。

 

オルソケラトロジーは、通常のコンタクトレンズと同様に高度管理医療機器です。定期検診と正しいレンズケアを行って下さい。